偽装請負摘発
まさに、グッドタイミングな話題が登場した。
とある人材派遣会社が、請負偽装の疑いで摘発された。業界では、実態がよくわからないことで有名なこの会社、数年前には、関西のお笑い芸人を使ったCMをよく流していた。
私は、エレクトロニクス業界に属している。この業界で数十年生きてきた人間にとって、なにをいまさら..という感であるが、業界に入ってみなければ、その闇を理解することは難しい。就職活動中の学生さんには是非理解してもらいたい事件だ。
さて、偽装請負とはなにか。解説しているサイトは多くあるが、簡単に説明しよう。
ある企業が人出不足に陥ったとする。普通に考えれば、新入社員を募集して、人員を増やすのがまっとうな手段だ。しかし、求人広告をだして、明日から即戦力の社員が来てくれるわけはない。また、繁忙期にあわせて社員をやとうことは経営上も問題がある。そこで、企業が利用するのが、
① 人材派遣
② 業務請負
のいずれかである。この曖昧な二つの制度が問題をややこしくしている。その違いを簡単に述べてみると。
① 人材派遣
a.専門職に限られていて、期間を定めて採用する必要があり、一定期間を過ぎると、契約を終わらせるか、受け入れ企業が直接雇用しなければならない。
b.管理責任は受け入れ側企業にあり、事故などがあれば、受け入れ側企業で対応する必要がある。
c.従来は、工場労働者などは、専門職とは認められていなかった。
② 業務請負
a.特に工場などまとまった仕事、例えば生産ライン一本をまるまる、請負企業が受託し、生産作業などをする。
b.人材派遣は派遣する人間が契約対象であるのに対して、「ある製品を生産する」というような事が、契約対象になる。
c.受け入れ側企業は、請負企業の管理者を通してのみ、請負企業の社員に指示をすることができる。
d.労災などの事故は、請負企業側の責任となる。
受け入れ企業から見れば、派遣期間などの縛りがなく、直接指示できて、労災などの責任は負わなくてよい。という制度が有り難い訳だが、そうなると、①と②の良いとこ取りとなる。特に、繁閑の調整のために、工場労働者を派遣してもらい、直接指示はしたいけど、人事管理、労災みたいな面倒なことは派遣元におしつけられればハッピーな訳だ。
そういったニーズから、偽装請負が始まったと考えられる。
ある工場の生産業務を請け負う契約をして、請負側は社員を派遣する。そこで、派遣側の管理者の下で契約上の仕事していれば、問題ないが、現実に現場の業務はようかんを切るみたいに、きっちり切り分けることは難しい。手が空けば、忙しい部門の仕事を手伝うなど、あたりませの話だ。請負契約であると、こういった小回りがきかない。が、現場では、そのようは運用が行われているのが現実なのである。
つづく
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